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about.     30年、30人、30日。

1984年に高校を卒業して、今年、2014年で30年。たった30年、もう30年・・・・・。

近年の日本人の平均寿命は男性80歳、女性86歳であると聞けば、僕らの旅路は、まさに中間地点を過ぎた辺りでしょうか・・・。

過去を振り返るのはリタイアしてからとはいうものの、この辺りで少しくらい半生を反省(そりゃ僕だけか)してみても罰は当らないでしょう。

ただ過去を懐かしむだけで前に進む意欲を失ってはいけませんよね。ま、それこそまだ、中間地点なんですから・・・。

そもそもなぜ今、突然高校卒業の年を振り返ろうと思ったかというと、理由は極私的に単純で我が子が今年、高校を卒業したからというものでした。

息子と僕は30歳違いなんで、30年前の僕と同い年なのは不思議なことでもなんでもなくて、それは来年も再来年もずっとかわらないんですけどね。

そんな彼の卒業アルバムの同級生の寄せ書きを読ませてもらっていたら、やはり自分の30年前の事が呼び起こされてきたわけです。

当時の僕らのクラスは30人、30年前の30人。なにか『30』という数字が意味無く重なって、頭の片隅でちょっと引っかかったわけです。

それでさらに思い出したのが、いんちょーとワタべちゃんの事でした。二人の誕生日はいんちょーが3月30日、ワタベちゃんが9月30日。

全くの偶然とはいえ、これで「30」が三重になったわけですよ。それに気が付いたときに僕のなかでバラバラだったパーツが繋がりだして、

久しぶりに歌を作ろうという思いが沸き起こったわけです。

6年半前に、いんちょーを見送って、まもなくにワタべちゃんの訃報を聞きました。そのころから、ずっと僕に出来るなにかを探していたんですが、

見つからず悶々としていたわけです。そしてそのころからこの最初のフレーズはずっと胸の中にありました。でも、それをどうしたらいいものか判らないうちに年月を過ごしていました。

そして3年前の2011年に、僕らが「出会って30年」の時にも、その思いを歌にしようと思って頑張っていたのですが、その時も気持ちをまとめることが出来ずに、また3年が経過してしまい、今年の「卒業から30年」の年を迎えてしまったわけです。そんな中で最後の後押しになった出来事は、昨年末の大滝詠一氏の急死でした。

遠い存在のいわゆる有名人の訃報ですが、最も尊敬していた音楽家だったので、僕にとってはとてもショッキングな出来事でした。と同時に人の命のはかなさを思わずにいられませんでした。その大滝さんの最後のオリジナルアルバム「EACH TIME」が、リリースされたのも、30年前の1984年。今年、30周年記念のリマスター盤もリリースされました。僕の素人ソングなどお話しにもなりませんが、自分の音楽の趣向を決定付けた、とても大事な存在であった大滝さんへの感謝の気持ちを自分なりになにかのカタチにしたいという思いも、今回の歌作りの原動力のひとつであったと言えます。そして偶然にも、大滝詠一さんの命日も12月30日だったようで、また『30』が重なりました。

個人史の30年を振り返るとそれは「香川」再認識の30年でもありました。進学を機に香川を出て30年。遠くにありて思うものとはよく言ったもので住んでる時には平凡で当たり前のなんの変哲もないところだと思っていたのですが、離れた場所で時折、香川にまつわるテレビラジオの情報を目にする毎に、少し気分が高揚する自分がいて、思っている以上に香川のことを愛してる事を実感しています。

そんな愛しい場所や、時間や、人達を想いながら歌作りをしていたら、もうひとつのアイデアが浮かびました。それが廣田氏とのコラボレーションです。

昨今の便利ツールの賜物で離れた人達ともリアルタイムに情報交換が出来るようになって、途絶えていた、古い友人との交流が再開するという事がいくつかあって、廣田氏とのFACEBOOKでの近況報告もそのひとつでした。

僕は廣田氏が折に触れてアップするドキュメンタリー動画のファンで数年前に発見して以来、こっそり拝見して楽しませてもらっていました。

さすがに映画好きとあって上手いんですよ、構図やら撮り方やら編集やらが・・・心地よいんですね。その中にも香川のあちこちを撮影した動画もあって、香川の良さを再認識するきっかけのひとつはこの廣田氏の動画でもあったわけです。

そこでふとこの素材で僕の作った歌のプロモーションビデオを作ってもらえたら最高だなぁと思ったんです。それで今年の3月中旬、まだ歌も出来ていないうちから、FACEBOOKで廣田氏に打診したところ、公私ご多忙にもかかわらず、すぐに手元の素材とさらには少し新たな撮影までしてくれてサンプル動画を送ってくれたんです。これにはもう俄然テンションが上がりました。

そこで、出来れば美術科のみんなに見てもらいたいという思いから、完成したらYouTubeで公開しようというゴールが掲げられたわけです。

そこからはとにかく早く完成品が観たいという衝動が高まり、空いた時間を見つけては歌作りにあてて日夜頑張りました。なにより廣田氏となにかを作るというのは、長い付き合いの中でもおそらくはじめての事で、それがなによりうれしくて仕方ありませんでした。

そして先日、遂にその完成品がアップされました!僕がお願いしたのは、廣田氏にとっての「わがかがわ」を表現してくださいというものでしたが、「あの頃」と変わらない懐かしい香川と、少し変わってしまった新しい香川が廣田氏の視点で巧みに抜粋されたまさに「わがかがわ」な素晴らしい映像作品に仕上がってきました。遠く離れた人にも、今も香川に住んでいる人にも楽しんでもらえること間違いなしです。

どうぞ、プレイボタンを押してそれぞれの内なる香川への旅にお出掛けください。

この作品を「あの頃」、高松工芸美術科を共有した『30』人に捧げます。

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